
当たり前に使いがちな「モチベーション」とは? 上げる方法も併せて考察する
「社員のモチベーションがなかなか上がらない…」
「ここ数年、退職率が上がっている…」
「社員のモチベーションをあげる具体的な方法を知りたい」
この記事は、そんな方のための記事です。社員たちの働くモチベーションについて悩む経営者・人事の方は少なくないのではないでしょうか。そこで今回は、社員のモチベーションを上げる方法について、事例を交えながら解説します。
- モチベーション向上のポイントがわかる
- モチベーション向上による効果がわかる
- モチベーション向上の成功事例がわかる
社員のモチベーションが高まれば、これまで以上に会社の風通しも良くなるはず。
「そもそもモチベーションとは何か?」や、「どんな取り組みをすれば社員のモチベーションが上がるのか?」、「成功例はあるのか?」など。今回の内容を参考にしながら、あらためて社員のモチベーションについて考えてみましょう。
モチベーションとは?
モチベーションという言葉は、英語とラテン語の「move」が語源となっており、「動かす」「動き出させる」といった意味があります。これを企業におけるモチベーションに置き換えると「目的や目標に向かって行動を具体化し、その実行を支える力」と定義できるでしょう。モチベーションの源泉は「目的」であるため、目的がなければ社員のモチベーションはなかなか起こりづらいのです。
また、少しアカデミックな話になりますが、モチベーションに関する「学説」も覚えておきたいところ。なかでも「マズローの欲求階層説」「期待説」はチェックしておくと良いでしょう。
マズローの欲求階層説
心理学者マズローが唱えた「人間の欲求」に関する学説です。その名のとおり、人間の欲求は5つの階層にわかれており「下の階層が満たされることで次の階層も満たされる」といったことを提言した説です。欲求階層の図は以下のとおり。

期待説
心理学分析の第一人者として知られるビクター・ブルームが提唱した学説です。モチベーションは、「努力すれば結果が出るだろうという期待」と「その努力によって得られる報酬の魅力」の2つによって決まるというもの。
たとえば、「どれだけ勉強を頑張っても、その試験に合格できる確率は低い」または「中途入社しても、昇進できるかどうかわからない」など。これらの場合、その人のモチベーションは下がってしまうのです。
ではどのようにすればモチベーションを向上させることができるのか? そのポイントは次の章で触れたいと思います。
モチベーション向上のポイントとは?
社員のモチベーション向上においてもっとも大切なもののひとつ、それが「目標設定」です。期待説を唱えたビクター・ブルームは、人間のモチベーションは「目標が魅力的であるか?」と「それが達成可能か?」によって決定すると提言しています。
公式であらわすと【モチベーションの高さ = 目標の魅力 × 達成可能性】となります。

【魅力的な目標を作るポイント】
- 「なぜこれをやるのか?」を明確にする(ラダー効果)
- 社員自身が「自分で選ぶ行為」を増やす(オプション効果)
- 「今の業務がどこに繋がり、会社にどう貢献しているのか?」を考えさせる(サンクス効果)
- 名前をあげるなど「社員個人が注目してもらう機会」を作る(スポットライト効果)
【達成可能な目標を作るポイント】
- 小さい目標をたくさん置いて「成功体験」を積む(マイルストーン効果)
- 成果に対して客観的に評価する(フィードバック効果)
- あえて「違う役職」を体験させて視点を変える(ロールプレイング効果)
- ノウハウを共有する(ナレッジ効果)
以上の方法は、どれもモチベーション向上において重要です。「目標の魅力」と「達成可能性」、この両方が満たされてはじめてモチベーションが向上します。どちらかに偏らないよう、バランスよく対策していくことが大切です。
モチベーションが低い職場、チームの特徴とは?
一方で「モチベーションの低い職場・チーム」にはどのような特徴があるのでしょうか。社員あるいは組織全体のモチベーションが低い会社には、以下の特徴があげられます。
- 社員の離職率が高い
- 評価制度が不明瞭である
- 業績低迷が続いている
社員の離職率が高い場合は要注意。なんらかの理由で社員のモチベーションが低下している可能性が高いでしょう。たとえば、「仕事へのやりがいが見当たらない」「報酬が少ない」「労働時間が長い」など、さまざまな要因があげられるでしょう。
社員に対する「評価制度」もモチベーションに影響を与えます。評価制度があいまいだと、社員は「何を頑張ったら評価されるのかわからない」と思ってしまうでしょう。社員の成果に対して適切な評価をすることが大切です。
業績の低迷が続いている会社(チームの場合は成果が出ない)は、個人のモチベーションが低くなっている可能性が高いです。モチベーションが低いと、社員の生産性も上がりません。そもそも、会社に利益をもたらしてくれるのは「社員」であるため、社員一人ひとりの生産性が低ければ、会社の業績も低くなってしまうのです。
従業員、チームのモチベーション向上による効果とは?
従業員、チームのモチベーション向上による効果とは?
社員のモチベーションが向上すると、企業にとってさまざまなプラスの効果があります。具体的には、以下のような効果があらわれます。
- 採用費の削減
- 社員の会社への貢献度アップ
- 従業員エンゲージメントの向上
- 離職率の低下
- 企業イメージのアップ
最初にあげられるのが「採用費の削減」です。企業にとって人材不足がさけばれる現代。一人でも多くの人材を獲得するために、企業は多額の採用コストをかけています。しかし、採用難で人材がなかなか採用できず、コストばかりが膨らんでいる会社も。一方で、社員・チームのモチベーションが上がると、社員の生産性が上がり、わざわざ新しい人材を獲得しなくとも業績アップにつなげられるわけです。
また、社員の「会社への貢献度アップ」も期待できます。モチベーションの向上は、「もっと成果を出したい」「今いる会社に貢献したい」と考える社員が増えるということでもあります。これは従業員エンゲージメントの向上ともいえます。そういった社員の姿勢に対して、会社側が「ここのスキルアップが望める環境」「成果に見合った報酬などを用意することで、さらに離職率も下がっていくことでしょう。
社員のモチベーションが高まり、組織としての士気も高まると「企業のイメージアップ」にもつながります。良い人材が集まり、定着している企業は、社会からの評価も高まります。たとえば「働きやすい企業」と題してテレビや新聞といったメディアに出演できるチャンスも。新入社員からも好印象をもってもらえることでしょう。
【事例紹介】社員のモチベーションが上がった事例
続いて、社員のモチベーションが上がった事例を見ていきましょう。ここでは、コミュニケーションをベースに生産性向上や業務の効率化を実現し、人・組織の課題解決をお手伝いするカルチャーマネジメントツール「Talknote」を導入して、モチベーション向上に成功した会社をご紹介します。
株式会社ヴィエリス
株式会社ヴィエリスは、「すべての女性をもっとキレイに」という経営理念のもと、全国に43店舗の全身脱毛サロンを展開する会社です。タレントやモデルからも人気を集めています。
以前まで社内コミュニケーションツールとしてLINEを利用していたという同社。「公私混同しやすい」「コミュニケーションが一方通行になってしまう」という問題を抱えていたようです。そういった「情報の行き違い」が社員のモチベーションを阻害しかねないと考え、Talknoteの利用を開始。
- 業務の伝達率が上がり、スピーディーな修正と改善が可能となった
- いいね数や遅刻数をチェックできる「アクションリズム解析」によって、いち早く社員のケアができるようになった
- Talknoteでもっとも褒められた人を表彰することで、社員のモチベーションが上がった
Talknoteの「スムーズな情報共有」「いいね!機能」によって、社員の業務に対するモチベーションが上がった事例です。
【参照】 [活用事例] 株式会社ヴィエリス
株式会社朝日広告
株式会社朝日広告は、求人広告をメインとした広告代理店です。リクルートやマイナビといった大手媒体から全国の地方媒体まで、幅広い求人媒体を取り扱っています。
以前までメールで情報共有を行なっていた同社。「通知がたまって重要な情報がわからない」「数字の報告ばかりで結果までのプロセスがおろそかになっていた」という問題を抱えていたそう。そこでTalknoteの導入を開始することに。
- メールの量が10分の1になり、情報が一元化された
- Talknoteの「サンクス機能」によって社員同士が承認するようになった
- コミュニケーションが円滑化したことで「誰もが発言しやすい雰囲気」になった
Talknoteならではのサンクス機能やスムーズなコミュニケーションによって、同社が問題を抱えていた「結果までのプロセス」が満たされた事例です。
【参照】 [活用事例]株式会社朝日広告
株式会社エー・ピーホールディングス
株式会社エー・ピーホールディングスは、「食のあるべき姿を追求する」をモットーに飲食店を展開する会社です。国内外に260店舗を展開しており、2016年には「働きがいのある会社」ベストカンパニーにも選出。
業態の方向性が定まらず、業績不振が続いていたという同社。情報共有にも行き違いを感じており、「全スタッフの当事者意識を高めなければ…」と頭を抱えていたそうです。そこでTalknoteの導入を開始。
- スムーズな情報共有によって、社員の商品知識が増えた
- 社員の「商品への愛着・販売意識」が高まったことで、個人の自信へとつながった
- 生産者・社員・アルバイトそれぞれに「やりがい」が生まれ、一体感のある組織になった
Talknoteでのスムーズな情報共有によって社員の商品知識が増え、モチベーション向上につながった事例です。
仕事にモチベーションは不要?
モチベーションは自分で管理するもの?
これまで仕事におけるモチベーションについて解説してきました。しかし、少なからず「モチベーションは自分で上げるものじゃないのか?」「そもそもモチベーションはいらないのでは?」と考えている方もいることでしょう。
モチベーションが上がるということは「いつ下がるかわからない」と言いかえることもできます。高いモチベーションを維持し続けることは至難の技ともいえるでしょう。そのため、「社員一人ひとりのモチベーションを、会社の取り組みだけで維持するのは難しいと思う」と考える経営者も多いわけです。
たしかに、モチベーションは個人で管理するべき部分も大きいです。同じ環境下でも、積極的に働く社員もいれば、そうでない社員もいますから。しかし、会社側にできることはたくさんあります。たとえば「労働時間」「評価制度」「報酬」など、社員が働きやすい環境を整えてあげることも大切です。少しでも社員のストレスを減らし、モチベーションアップにつながる取り組みを心がけましょう。
まとめ
本記事では、モチベーションの大切さについて、以下のようなポイントをお伝えしてきました。
- モチベーション向上のポイントがわかる
- モチベーション向上による効果がわかる
- モチベーション向上の成功事例がわかる
ご紹介したように、社員一人ひとりのモチベーションを向上させることは、会社の業績アップにもつながります。つまり、社員一人のモチベーションが会社の風向きを左右させるということ。もし、「離職率が上がっているのが気になる…」「社内のコミュニケーションが少なすぎる…」といった問題があれば、本記事の内容を参考に対策を打ってみてください。